ブラドノックのやや北にある小さな町クリータウン(Creetown)に、ジェムロック ミュージアム(Gem Rock Museum)という石の博物館があります。外見はこじんまりとしていますが、展示品は非常に充実した博物館です。また、クリータウンの東南、約5kmほどの所に、ケアンホリーという古代遺跡があります。
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ジェムロックを日本語でいえば、宝石などの美しい石のことですね。もちろんこの博物館にはさまざまな宝石やその原石類が展示されていますが、それ以外にも変わった石や珍しい鉱石などが展示されています。展示方法も工夫されていて、「スコットランドの石」コーナーや、紫外線をあてるとそれぞれ異なる色の蛍光を発して光る石を集めたコーナーなどがあります。 また、ショップも充実していて、隕石のかけらや珍しい化石、それにストロンチアナイトなどが売られています。このショップで買ったスコットランドの地質図を見てみると、スコットランド各地の伝統的な建築物に使われている赤色の砂岩の分布域や、アバディーンの建物によく使われている花崗岩がアバディーンの近郊に分布している様子がよく分かります。
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紀元前2000年頃の新石器時代に作られたといわれる石の遺跡です。見る方向によっては一見ストーンサークルのように見えますが、実は石室を伴った石塚(chambered cairn)です。ここからは、アルプス産の珍しいヒスイ(jadeite)も見つかったそうです。おそらく他の地域との交流もあったんでしょうね。 さて、私達がここを訪れたのはそろそろ日も暮れる頃(午後8時過ぎ)だったんですが、石の近くには先客の女性3人のグループがいました。彼女たちはまるで映画かアニメに出てくる神様のような服装で、しかも靴を履かず裸足で歩いていました。リーダー格の人とケアンホリーについて少し話をして別れたんですが、その後彼女たちは近くに停めてあったキャンピングカーに戻って、おもむろに夕食の用意を始めました。おそらくその夜は遺跡の横で過ごしたのでしょう。会話の端々から、古代への思いや精神的な世界を大切にしている人たちなんだなーと感じました。 |
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