1ポンド硬貨の謎


 以前、「たかが1ポンド、されど1ポンド」のページでも書きましたが、英国の1ポンド硬貨は、発行年によって裏面の模様が変わります。(どちらが表か裏か分からないんですが、とりあえず女王様の肖像のある方を表としておきます。) 例えば、1997年発行の1ポンド硬貨の裏面はイングランドの紋章である3匹の獅子になっています。ところがある時、表には1997年の銘が入っているのに、裏の模様がイングランドではなくスコットランドの紋章になっている1ポンド硬貨を見つけました。その後も表面と裏面の模様が一致していない硬貨を見かける事が時折あります。(これまでに計5種類のそんな「はてな1ポンド硬貨」を見つけました。)なぜこのような本来あるはずのない硬貨が存在しているのでしょうか。うちのかみさんとも議論の上、以下の3つの仮説を考えてみました。

仮説その1. ある年に1ポンド硬貨を早急に発行する必要が出たにもかかわらず、その年の型の製造が間に合わず、英国の造幣局がとりあえず以前に使った手持ちの型を流用して臨時に製造した。(この国なら十分あり得そうな話ではある。)
仮説その2. 偽造1ポンド硬貨である。でもって偽造した人が表と裏の型を別々のコインから取ったために、表裏矛盾する硬貨になってしまった。(しかし、こんなすぐに偽物とばれてしまうものを作るものなんでしょうか?)
仮説その3. イングランド嫌いのスコットランド人がイングランドの紋章を削り取って代わりにスコットランドの紋章を彫り込んだ。こういうことをやりたくなる気持ちも分からないでもないですが、それにしては見事な出来ばえです。

   インターネットなどでいろいろと調べてみたところ、仮説その2の偽造硬貨の可能性があるかもとのことですが、真相はいまだに不明です。どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら、お教えいただけると嬉しいです。


 さて、話は変わりますが、2004年の1ポンド硬貨の裏面には、スコットランドのフォースブリッジがデザインされています。これに続いて2005年以降、イングランドやウェールズ、そして北アイルランドにある橋のデザインのコインが発行される予定だそうです。


 
フォースブリッジがデザインされた2004年の1ポンド硬貨
   

2005年3月5日