フォース湾の鉄橋




 上の写真は、エディンバラの北にあるフォース湾に架かる鉄道橋です。全長約2.5 km のこの鉄橋、なんと100年以上前の1890年に作られました。当時のスコットランドの技術力は世界のトップクラスで、その技術の粋を結集して建設されました。



 こちらの写真は、鉄橋を渡る列車です。列車の大きさと比べると、この鉄橋がいかに巨大であるかがお分かりになるかと思います。
 この橋が作られる少し前の1879年に、ダンディー近くのTay川に架かる鉄橋が崩落して、走行中の列車に乗っていた多くの人が亡くなるという事故が起こりました。そのため、この橋の設計に当たっては、丈夫で安全な鉄橋にするということが、一番の優先事項だったそうです。トラスを巧みに組み合わせたこの橋の姿は、そういった設計思想の中から生まれてきたのでしょう。また、この橋は、カンチレバー・トラスと呼ばれる形式の橋の代表的なものであり、建築学的にも貴重な存在です。
 ところが最近、この鉄橋の維持補修に莫大なお金が必要なことから、何らかの方策を考えなければいけないということが、問題になっています。写真にも補修のための足場が写っていますが、確かに大変なコストがかかっていることは、容易に想像できます。新たな鉄橋を造るのか、海底トンネルを掘るのか、現在の鉄橋を継続して使用するのか、難しい選択をせまられる事になりそうです。



2003年3月22日