スコットランドの本


 スコットランドに関する書籍の中から、いくつかをご紹介します。



 SCOTLAND'S AIRLINES

         Charles Woodley 著、 The History Press


 スコットランドの民間航空史について書かれた本です。現在および過去に存在した40以上の航空会社が紹介されており、その中にはたった一機の飛行機しか所有していなかったミニエアラインもいくつか含まれています。当時の飛行機の写真やポスターなど、興味深い資料も満載です。



 光の谷のピーターラビット (Little Friends)

         村川 荘兵衛 著、 リベラル社


 スコットランドのパースシャーのグレンクロヴァという谷に住むウサギの写真集です。美しい自然の中で暮らすウサギたちの意外と豊かな表情やしぐさがとらえられていて、眺めているだけで心がなごみます。



 鉄道で巡る
  英国・自然派ホリデー

         石井 理恵子/横山 明美 著、新紀元社


 鉄道を使って訪れることができる英国内のエコやオーガニックなスポットが満載。スコットランド内では、オーガニック・ハーブガーデンやバードウォッチングができる鳥獣保護区などが紹介されています。蒸気機関車が走る保存鉄道も数多く紹介されていて、鉄道好きにもおすすめの一冊です。



 スコットランド紀行

         エドウィン ミュア 著、橋本 槇矩 訳、岩波文庫


 タイトルに「紀行」とありますが、これは単なる紀行文ではありません。世界恐慌の波に襲われた1930年代のスコットランド各地を旅した著者が、人々の生活や社会の様子を綴ったものです。現在のスコットランドが抱える諸問題の基層を考える上でも有用な一冊です。



 血の流れるままに (Let It Bleed)

         イアン ランキン 著、延原 泰子 訳、ハヤカワ文庫


 エジンバラを舞台にした刑事物小説、リーバス警部シリーズの一つ。この作品では、スコットランドの政治の腐敗に焦点が当てられています。ちなみにタイトルの「Let It Bleed」には、スコットランドの家庭でおなじみの、ラジエーターの水抜きという意味も掛け言葉になっているとか。



 在英ワーキングウーマン事情   〜わたしたちの英国暮らし〜

         石井 理恵子 編・著、同時代社


 英国(スコットランドを含む)で働く日本人女性15人を紹介。英国で働き、暮らしていくということがどういうことであるか、プラスの面とマイナスの面、どちらにも片寄ることなくバランスよく紹介されています。これから英国での生活を考えている方にもお奨めの良書です。



 英国フード記 A to Z

         石井 理恵子 著、松本 里美 版画、三修社


 おいしいものもあれば不思議な食べ物もある国、イギリス。そんなイギリスの食べ物の中から、これはびっくり!というものや、良く知られた食べ物の知られざる側面などが紹介されています。ハギスやアイロン・ブルーといったスコットランドの食べ物や飲み物もいろいろと紹介されています。



 ブレア時代のイギリス

         山口 二郎著、岩波新書


 8年にわたるイギリスのブレア政権を分析し、鋭い考察を加えた良書です。本書におけるブレア政権の社会政策に対する評価等、実際に住んで実感していることとは多少のずれを感じますが、現代のイギリス政治を俯瞰的に理解できる非常に優れた本です。スコットランドの自治獲得の経緯についても詳しく触れられています。





 スコットランド 旅の物語

         土屋 守著、東京書籍


 著者の土屋守氏は、スコッチ文化研究所の代表も務めるスコッチウィスキーの研究家。本書では、ウィスキーのみならず、スコットランドの歴史や風土、人々の暮らしや特産の食べ物等についても詳しく紹介されています。



 エディンバラの光と影

         ジョーン リンガード著,  定松 正訳、さ・え・ら書房


 エディンバラを舞台にした小説です。ある日突然、異母姉の存在を知った15才の女の子のお話です。作者はエディンバラ在住だけあって、エディンバラの人々の生活の様子や、街の風景の描写が秀逸です。フィクションであるがゆえに、観光ガイドブック等には書かれていない人々の心の内面を感じ取ることができます。



 スコットランド 歴史を歩く

         高橋 哲雄著,  岩波新書


 これまでの通説に鋭くメスを入れ、スコットランド史の本質に迫ろうとする一冊です。この本を読んで、スコットランドは実はとても奥が深いということがよく分かりました。特に、少ない人口のわりに著名な人々を数多く輩出してきたことの歴史的背景が詳しく述べられています。



 ミステリー&ファンタジーツアー スコットランド

         石井 理恵子、杉本 優著,  新紀元社


 古くから伝わる妖精伝説、古城の幽霊、不思議な気が宿るパワースポットなどなど、これまでにない切り口でスコットランドを紹介。ストーリーテラーや魔女へのインタビューもあって、盛りだくさんな一冊です。




Tartans

         Blair Urquhart編,  The Apple Press(英語版)/チェック商会(日本語版)


   スコットランドにおけるタータンの歴史および、主要なタータン140種以上についての解説が載っています。たくさんの美しい図柄を見ているだけでも楽しいものです。なお、日本語版発行元のチェック商会は、タータン柄の衣料品の製造販売が本業で、「YORK」というタータンショップを日本全国に約20店舗展開しています。


 

英国セント・キルダ島の何も持たない生き方

         井形 慶子著,  講談社


 日本で初めて出版された、セント・キルダの人々の記録です。セント・キルダは、スコットランドの西方に浮かぶ絶海の孤島です。今では、かつての住人は本土に移住して、ナショナルトラストが管理する海鳥の楽園になっています。人の生き方や社会のあり方について考えさせてくれる本です。


 

スコットランド王国史話

         森 護著,  中央公論新社


 複雑極まりないスコットランド王家の系譜を丁寧に解説してくれています。王家にまつわる話に焦点が当てられているとはいえ、当時の社会の様子や人々の生きざま等についてもうかがい知ることができます。
 2002年に文庫本になって、より手に入りやすくなりました。


 

スコットランド「ケルト」紀行  ヘブリディーズ諸島を歩く

         武部 好伸著,  彩流社


 ヘブリディーズ諸島は、スコットランド本土の北西に位置し、スカイ島やルイス・ハリス等の島々から構成されています。この本は、ヘブリディーズ諸島を紹介する日本語で書かれた本として、貴重な存在です。作者と地元の人々とのふれあいが随所に織り込まれており、読んでいて心温まる一冊です。


 

 世界歴史の旅  スコットランド

         富田 理恵著,  山川出版社


 前半がスコットランドの通史、後半がスコットランド各地の史跡紹介という二部構成になっています。第一部では、度重なる周辺民族の侵入、王家の変遷、宗教や政治の問題などが複雑に絡み合ったスコットランドの歴史が、丹念に言葉を選んで綴られています。また、旅行の前に第二部の史跡解説を読んで理解を深めておくと、より充実した旅となることでしょう。




 インヴァネスのB&Bから  スコットランドふらふら紀行

         石井 理恵子著,  新紀元社


 2002年12月発行、最新情報満載のスコットランド紀行です。 個性的なお城の数々、美しい島々、パブでの楽しいひとときなどが紹介されています。表紙をはじめ、写真家の村川荘兵衛氏撮影の美しい写真が彩りを添えています。また、普通のガイドブックでは紹介されていないような、小さな村や地ビールの話も載っています。巻末のウェブサイト一覧も充実していてgood。



 スコットランド史----その意義と可能性

         ロザリンド ミチスン編、富田 理恵、家入 葉子訳


 スコットランドを代表する研究者の手による、スコットランドの歴史の本です。通史の形を取っていますが、歴史とは何かを考えさせてくれる本です。



 IN SEARCH OF SCOTLAND

         Gordon Menzies 編


 BBC Scotland が放映した同名の番組を本にしたものです。古代から現代にいたるスコットランドの歴史が、最近の研究結果をふまえて綴られています。英語の本ですが、2ページに1枚の割合で美しい写真が添えられていて、見ているだけでも楽しくなります。



 STREET ATLAS Glasgow and West Central Scotland

         
 グラスゴーとその周辺の道路地図です。お出かけの時にはいつも持っていってます。スターリングやエア付近までカバーしています。



 Know your traffic signs

         
 英国の道路標識のガイドブックです。日本ではあまり見かけない変わった標識も載っています。スコットランド以外の英国地域でもこれらの標識が使われていますが、一部を「こんなもの見つけました」のページで紹介しています。