カラヴァロック城(Caerlaverock Castle)とスィートハート修道院(Sweetheart Abbey)

 カラヴァロック城はダンフリーズの南、10数kmのところにあります。このお城の特徴は、なんといってもそのかたちでしょう。上から見るとほぼ正三角形で、各頂点の部分には円筒状の塔が建っています。東側と西側の塔はそれぞれ一つずつですが、お城の正面入り口がある北側の角には二つの塔が設けられています。また、お城の周りは堀で囲まれていて、入り口へは橋が架けられています。数あるスコットランドのお城の中でもユニークなかたちのものの一つです。






カラヴァロック城の歴史 



 1200年頃にこの地の領主になったジョン マクスウェルによって、この城の少し南のところにまず最初の城が建てられました。ただこの場所は水はけが良くなかったようで、数十年後に現在の地に今の城が建設されました。その後この城は、イングランドとスコットランドの戦争に幾度となく巻き込まれました。お城の横には、当時の戦争で使われた投石機が復元されて建っています。また、マクスウェル家のスコットランド王家に対する忠誠に疑問が持たれ、スコットランド軍に攻撃されたこともありました。最後は1640年の長老教会派の軍による攻撃を受け、現在見るような姿になりました。
 


 





 この城は、攻城戦による破壊とその後の修復が繰り返されたことにより、内部は様々な年代に建築された部分から成っています。左の写真は、17世紀頃に作られた比較的新しい部分です。


スィートハート修道院(Sweetheart Abbey)



 この修道院は、ニス川(River Nith)をはさんでカラヴァロック城のちょうど対岸にあたるところにあります。この修道院を建てたのは、夫の死を悼んだLady Devorgillaという女性だそうです。この修道院が作られたのは、カラヴァロック城とほぼ同時期の13世紀後半、その後はスコットランド南部の他の多くの修道院と異なり、イングランドとの戦争で大きな損害を被ることはなかったのですが、宗教改革の混乱の後は荒廃するにまかされていました。現在はヒストリックスコットランドの管理下に置かれています。
 


 




2006年7月30日