![]() ポートエレン近くのスタンディングストーン |
アイラ島の南部は、フェリーの寄港地であるポートエレン(Port Elen)を除くと、ほとんど町らしい町もありません。そんな中、見どころといえば、海岸沿いに点在するウイスキー蒸溜所、スコットランドでもっとも保存状態の良いケルト十字の一つがあるキルダルトン教会、自然保護区があるジ オア(The Oa)、先史時代のスタンディングストーンなどがあります。 |
アイラ島の南部には、ラフロイグ(Laphroaig)、ラガヴーリン(Lagavulin)、そしてアードベッグ(Ardbeg)の3つの蒸溜所があります。
ラフロイグでは通常のシングルモルトの他に、100年以上前の製法を再現したクオーターカスク(Quarter Cask)というウィスキーが作られています。昔は馬などによる輸送のために、熟成用の樽から小さな樽に移し替えていたため、そのぶん樽の木の香りがより良くウィスキーに浸透していたとのことです。この製品も、アメリカンオークの樽で熟成された後、バット樽の1/4サイズのバーボン樽でフィニッシュさせているので、大変深みのある香りになっています。
一方、ラガヴーリンの特徴は、アイラの他の蒸溜所と比べて、時間をかけてゆっくりと蒸溜していること。こうすることによって、丸みのある味わいになるそうです。また、アードベックのウィスキーは、50ppmという高濃度のフェノールが含まれていて、とてもスモーキーです。
以前はポートエレンにもウィスキー蒸溜所がありましたが、1983年に閉鎖されました。しかし、現在でも隣接するモルト製造所は操業を続けていて、ここで作られたモルトがいくつかのアイラの蒸溜所に供給されています。
8世紀ころに作られたこのケルト十字は、スコットランド内で最も保存状態が良いと言われていますが、西ヨーロッパ中を見回しても、現存する当時のモニュメントとしては、最も完璧なものの一つとされています。 高さは2.65m、差し渡し1.32mのこの十字架は、地元で産出する変閃緑岩(epidiorite)で作られています。この石の特徴として、風化に強いだけでなく苔などが付きにくいということがあり、そのため現在でも表面の美しい模様が保たれているとのことです。 十字架の表面には、千年以上も前に彫られたとは思えないくらい鮮明な模様を見ることができます。天使や聖母子像、ケルト模様などが彫られています。 教会の建物は、現在では屋根もなく廃墟同然となっていますが、建物の中には石板に彫られた騎士などの像があり、こちらも歴史的に貴重なものです。
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![]() キルダルトンのケルト十字 |