パパ・ウェストレー (オークニー諸島あちこち、その3)


パパ・ウェストレー (Papa Westray) は、オークニー諸島の北部、ウェストレーの東に位置する島です。
この島の北部一帯は自然保護区になっていて、多くの種類の野鳥が住んでいます。またこの島には、北ヨーロッパで最も古い部類に入る住居跡の遺跡があります。



パパ・ウェストレーへの行き方

 パパ・ウェストレーへは、カークウォールからの飛行機が便利です。途中、ウェストレーを経由する便もあります。ウェストレーの空港とパパ・ウェストレーの空港は2.4kmしか離れておらず、世界で最も短い定期航空路です。飛行時間わずか2分のこの飛行機に乗ったら、機長さんのサインが入った「最短航空路搭乗証明書」をもらうことができました。ちなみに「地球の歩き方・スコットランド」(1999-2000年版)には、カークウォール - パパ・ウェストレー間が世界最短路線と記載されていますが、それは誤りです。


    

 パパ・ウェストレー空港のターミナル(?)と離陸する飛行機


パパ・ウェストレーの空港

 パパ・ウェストレー空港のターミナル(事務所兼待合室)は、上の写真のとおり小さな小屋のような建物です。この日は大変風が強く、吹き流しがほぼ水平にたなびいていました。飛行機が着陸するときも、滑走路手前で機体を45度くらい傾ける急旋回をした後、横風に流されながらの着陸で、少しスリルがありました。小さな飛行機ですので客席から操縦席が丸見えで、パイロットさんの見事な腕さばきを見ることができました。
 離陸の時は横風を避けて、2本目の滑走路からの離陸となりました。ところがこの滑走路、滑走路とは名ばかりで、周りの草むらと全く区別がつきません。わずかに数本、飛行機のタイヤに踏まれた跡が線になって草の上に残っているだけです。滑走路の終端を示す標識も見あたりませんでした。さすがギネスブックに載っている最短路線だけあって、なかなか楽しい空の旅でした。



ノースヒル (North Hill) 自然保護区

 島の北部のノースヒル鳥獣保護区にはいろんな種類の野鳥がいます。写真左から、Eider(ケワタガモ)、Guillemot(ウミガラス)、そしてパフィンです。


  



 下の写真はいずれも、Oystercatcher(ミヤコドリの一種)です。姿もきれいですが、とてもきれいな声で鳴きます。


 



 左下の写真は普通のカモメ(Common Gull)ですが、この他にもカモメは何種類かいるようでした。右下の写真は、ウミウの一種ではないかと思います。


 



 この他にも、写真には撮れませんでしたが、アジサシやシギなどを見ることができました。また、鳥だけでなく、ウサギも住んでいます。




新石器時代の住居、Knap of Howar


 ここは、5千年以上前の新石器時代の住居の跡です。この付近で多く採れる平べったい石をうまく使って、壁や棚、入り口などが作られています。当時の気温は今より 3-4 ℃高かったそうで、かなり暮らしやすい所だったのではないかと思います。



2002年6月28日