ジェドバラ(Jedburgh)


 ジェドバラは、エディンバラの南東約 60km の所にあります。この町はスコットランドとイングランドとの国境の近くにあるため、何百年にもわたって両国間の戦争に巻き込まれてきました。そんな町でも人々の営みは絶えることなく続けられ、今の時代に様々な歴史的遺産を伝えています。


ジェドバラ修道院(Jedburgh Abbey)


 ジェドバラ修道院は、当時のスコットランド王デイビッド1世によって1138年に建設が開始されました。建設の目的が、スコットランドにもこんな立派な建物を作る実力があるということを隣国のイングランドに見せつけることというだけあって、大規模で壮麗な建築物です。150年近い歳月を費やして完成したこの修道院ですが、度重なる戦禍によって廃墟となってしまいました。屋根は完全に失われているものの、ゴシック様式の柱や窓、装飾の施された壁等は修理もされて当時の面影を良く伝えています。途中までですが、内部の螺旋階段を昇る事もできます。また、ミーティング用の小部屋やキッチンといった付属の施設跡も発掘されています。ビジターセンターも大変充実しています。
 私がここを訪れたのは夕暮れ時で他に見学者はほとんどおらず、荘厳な雰囲気をじっくりと満喫することができました。ただなぜか閉館の10分くらい前に出入り口の扉が閉まってしまって、修道院の敷地の中に取り残されてしまいました。「あー、困ったなー。今夜はここで夜を明かすのかなー」とか思っていたら、少したってから係の人が気付いてくれて、無事出入り口を開けてもらいました。

  


ジェドバラ城刑務所博物館(Jedburgh Castle Jail and Museum)

 かつて中世の頃にお城があった場所に1820年に造られた刑務所です。当時の刑務所や受刑者の様子を再現して展示しているそうです。    


メアリ女王が滞在していた家(Mary Queen of Scots House)

 生後6日めにしてスコットランドの女王となり、その後フランス王妃も兼ねたメアリが1566年に一時期滞在していたといわれる家です。もともとジェドバラ防衛のために作られたいくつかの館のひとつで、壁等は非常に堅牢な構造になっています。写真からお分かりのように窓がとても小さいのも、おそらく防衛上の配慮からのではないでしょうか。現在この館は、メアリ女王の一生を紹介するミュージアムになっています。   



2005年11月6日