外ヘブリディーズのバラ島には、定期便が離着陸する世界でただ一か所の、砂浜に作られた飛行場があります。ここには、グラスゴーやベンベキュラからの定期便が発着しています。(ただし、今もキリスト教の信仰が深く根ざしている外ヘブリディーズですので、安息日の日曜日は全ての便がお休みです。)
今回の旅の目的の一つは、この飛行場に着陸する飛行機に乗ってみることだったので、出発の一か月くらい前に、前もってインターネットでチケットの予約をしておきました。ホームページの時刻表によれば、ベンベキュラからバラ島へ行く便は午前と午後に各一便ずつあったので、バラ島での滞在時間がしっかり取れる午前の便を予約しました。そしてその数日後に、予約どおりの搭乗日と搭乗時間が印字されたチケットが郵送されてきました。
ところが、それからしばらくして航空会社から電話がありました。オペレーターの方が言うには、その日の午前の便は運休になったから午後の便に乗って下さい、とのこと。なんでも、午前の便が到着する時は満ち潮なので、飛行機が着陸できないそうです。ハリス島とノース・ユイスト島を結ぶフェリーは干潮の時に運航が休止されますが、こちらはその反対ですね。それにしても、干潮や満潮の時刻はずっと前から予測できると思うんですが、どうしてチケット発行時には分からなかったんでしょう。
何はともあれ、午前の便のチケットしか持ってなかったんですが、無事午後の便に乗ることができました。ベンベキュラの空港を離陸した飛行機は、さほど高度を上げないままサウス・ユイスト上空を飛んでバラ島へ向かいました。特に帰りの便は高度が低くて、水平飛行の時でも海岸にいるカモメの姿がはっきりと見えました。この飛行機は、翼が機体の上の方についているので、翼に邪魔されることなく、眼下の景色を楽しむことができました。
このあたりは、氷河期に氷河によって削られてたくさんの湖ができたんですが、その様子が、空から見ると大変よく分かります。サウス・ユイストの西海岸に続く砂浜も、よく見えました。
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この飛行機、デハビランド DHC-6(通称、ツインオター)というんですが、副操縦士が客室乗務員を兼ねているためなんでしょう、操縦席と客室の間に仕切りがなく、客室から操縦の様子が丸見えです。スロットルレバーが天井に付いているのもこの飛行機の特徴です。 |
ベンベキュラを離陸して約20分、飛行機は無事バラ空港に着陸しました。おそらく砂浜の砂がクッションの役目をはたしたのでしょう、非常に滑らかなランディングでした。この空港、滑走路は砂浜ですが、管制塔はじめ空港施設はしっかりしていました。待合室には軽食を提供するカフェもあります。
そして無事着陸
お客さんの乗り降りも砂浜で。