グリムセイは、ノース・ユイスト島とベンベキュラ島の間にある、東西5km、南北2kmほどの小さな島です。この島と、ノース・ユイスト島およびベンベキュラ島とは海の上に作った道路(causeway)で結ばれています。というよりも、この島をうまく利用して、ノース・ユイスト島とベンベキュラ島を結ぶ道路を作ったと言った方が正確かもしれません。この道路ができるまで、この辺りを歩くのは、急激な満ち潮に遭ったり、流砂の場所があったりしてとても危険だったそうです。
バーネレイは、ノース・ユイスト島のすぐ北にある小島で、こちらもノース・ユイスト島と道路で結ばれています。ハリス島からのフェリーはこの島に着きます。フェリーの各便には、ノース・ユイスト方面へのバスが接続しています。
上の写真は、グリムセイとノース・ユイスト島を結ぶ道路で見つけた「カワウソ(otter)の横断に注意」の道路標識です。こんな標識があるということは、きっとそれなりの数のカワウソさんが住んでいるんでしょうね。
Kallinの港
グリムセイ島の東の端に、Kallinという小さな漁村があります。Kallinの港には小さな船が何艘か停泊していました。ここは、ヘブリディーズにあるいくつかの漁業基地の一つです。ヘブリディーズ全体にも言えることですが、このあたりは木が少ないため、Kallinでは限られた材料で船を作る伝統的な技法が培われてきました。浜に漂着した難破船の破片等は非常に貴重な材料だったそうです。もしかしたらこのようなことから、難破船は「海からの贈り物」みたいな考えが生まれ、それが後のS. S. ポリティシャン号事件(2万ケース以上のウィスキーを積んだままエリスケイ水道で座礁したS. S. ポリティシャン号から島民が積み荷のウィスキーを持ち出して、飲んだり洞窟に隠してしまったりした事件。映画化もされました。)の背景にあったのかもしれません。もっとも海の事故で亡くなられた方は手厚く葬られたようで、kallin では近くの St Michael's Chapel に埋葬されました。
この島の人口は140人ほどで、牧畜と漁業が中心です。港では羊さんがのんびりと草を食べていました。近くには standing stone もあります。