ノース・ユイスト島 (外ヘブリディーズ諸島あちこち、その3)


ノース・ユイスト島の地形は非常に複雑です。氷河期の間に氷河で削られた結果、島には大小無数の湖沼ができ、それらの湖沼のうち大きなものの中や入り江にはいくつもの島があります。海岸線も変化に富んでいて、東から南海岸は入り江や島が複雑に入り組んでいるのに対して、島の北や西側には長い砂浜が続いています。





ロッホマディ(Lochmaddy)

 ロッホマディはノース・ユイスト島の中心の村で、スカイ島のUigとフェリーで結ばれています。港の近くにあるツーリストインフォメーションセンターでは、島に関するいろんな情報を入手できることができます。うちのかみさんがここでゲール語の入門書を買った時、係の女性が嬉しそうに、「まあ、ゲール語に興味があるの? 私の母語はゲール語よ。」そしてさらに、「でも、ゲール語って勉強してマスターするのはとても難しい言葉よ。」と話してくれました。家に帰ってからその本を少し見てみましたが、確かに難しいです、ゲール語‥‥。
 話は変わりますが、ノース・ユイストに限らず、ヘブリディーズは風が強いことで有名です。天気が変わりやすいスコットランドでは挨拶の時に天気の話題がよく出てきますが、ここヘブリディーズでは、さらに風についても付け加わることが多かったです。先ほどのツーリストインフォメーションセンターの人も、「今日はお天気もそんなに悪くないし、breezing(微風)ね。」と言ってました。さすが、世界最大級の風力発電所建設の計画がある土地柄です。



ロッホマディのツーリストインフォメーションセンター


 また、ロッホマディには、「Taigh Chearsabhagh」という、歴史資料の展示室や小さな美術館が付いたお土産物屋さん兼軽食屋さんがあります。ここで食べたノース・ユイスト産スモークサーモンを使ったサンドイッチはおいしかったです。ここの美術館には、ノース・ユイストを題材にした現代アートがいろいろとあって、この島に根ざした新しい取り組みを感じ取ることができました。


Baleshare

 「眺めがよさそうな所だから行ってみたい」というかみさんの希望で行ってみたBaleshare。「駐車場と休憩所はこちら」という矢印に従って車を走らせて到着したのが写真の場所です。目の前に広がるのは砂浜と大西洋。休憩所はおろか、駐車場らしい場所もありませんでした。車を転回することもできず、500mほどバックで戻りました‥‥。かみさん、運転ご苦労様でした。




バルラナルド自然公園(Balranald Nature Reserve)

 ノース・ユイスト島の西部にあるこの自然公園には、砂浜、砂丘、磯や沼など多様な自然が広がっていて、多くの鳥が住んでいます。カワウソもいるそうです。下の写真のような、設備の充実したビジターセンターもあります。




Sollasのブラックハウス

ノース・ユイスト島の北部、長い砂浜が続いているSollasという所に、一軒の古い家が建っています。非常に景色のいい所ですが、かつてこのあたりはハイランドクリアランス(羊放牧のための強制移住)が特に厳しく行われた土地だそうです。





2005年4月22日