ハプニング、その4



ローンの更新



 家を買ってもうすぐ2年になろうかというある日のこと、住宅ローンを借りている会社から一通の手紙が届きました。その手紙には、「ローンを開始して2年、まもなくローンの更新の時期になります。この機会に当社のAirdrie支店に来ていただいて、今後のローンのことについて話し合いをしませんか」という内容のことが書かれていました。私としても、残高の一部を繰り上げ返済することによって、月々の返済額はこれまでと同じ額でも借り入れ期間を短縮できれば、結果として支払い利息を節約できると思い、是非話し合いをしたいという旨返事をしました。

 そして、話し合いをする日時を決め、その日にAirdrieにあるローン会社の支店を訪れました。担当の方にこちらの希望である繰り上げ返済について話すと、快く了解してくれて、今後の返済プランについても概算を計算してプリントアウトしたものをいただきました。そのプランによると、私が予想していたのと同じくらい支払い利息が減っていて満足できるものでしたので、それでお願いすることにしました。そして、家に帰ってから念のために、今日お話ししたように月々の返済額はそのままで繰り上げ返済をしたいので、概算でなくちゃんとした返済スケジュールを送ってくれるよう手紙を書いて送りました。



 そしてその約10日後、ローン会社から返済スケジュールの詳細と契約書が送られてきました。この契約書にサインをして送り返せばローンの更新手続きは終了というわけです。ところが、その返済スケジュールを見てびっくり。繰り上げ返済をすることにしたものの、ローンの返済期間はそのままで、月々の返済額を少なくする、という内容になっていました。これではローンを長期間払うことになり、結果的にあまり利息を減らすことができません。少しでも多く利息を払わせようという魂胆なのか、繰り上げ返済とローン期間の短縮という二つのことを同時にできないからなのかよく分かりませんが、とにかくそれでは困るので正しい返済スケジュールと契約書を送ってくれるよう手紙を書きました。



 しかし2週間近く待ってもローン会社からはなんの音沙汰もなかったので、再度同じ内容の手紙を書いて送ったところ、その翌日にローン会社から一通の手紙が届きました。てっきり訂正された返済スケジュールと契約書が、私の手紙と入れ違いで送られて来たものと思い、開封して読んでみると「ローンを開始して2年、もうすぐローンの更新の時期になります。以前にもお手紙を差し上げましたが、この機会に当社のAirdrie支店に来ていただいて、今後のローンのことについて話し合いをしませんか」という内容でした。つまり、まだ契約が終わっていないので話し合いもやっていないと思われたのでしょう、それでまた最初と同じような内容の手紙が送られてきたのだと思われます。一方、正しい返済スケジュールと契約書を送るよう依頼したのに、そちらはいまだに送られてきていないので、逆にこれはいい機会だと思って、再度話し合いを持つことにしました。

 そしてその数日後、アポイントを取った日にローン会社のAirdrie支店に行き、月々の返済額は減らさずに返済期間を短縮するよう再度依頼しました。さらに、ローン更新の期日がかなり迫っていたので、その場で小切手を切って繰り上げ返済を済ませ、同時に更新するローンの契約書にサインもしました。ところが驚くべきことに、この契約書には月々いくらの支払いになりますという記載がなく、担当者の「うん、これで大丈夫だよ」という言葉を信じるしかなくて、かなり不安なローンの更新となりました。



 ところが、というか案の定というべきか、それから何日か経って送られてきた手紙には、「グッドニュース! あなたは繰り上げ返済をされたので、月々のローンの支払い額が減ることになります。」と書かれていました。(原文は以下の通りです。)

Good News!
 As you have made an overpayment, you will benefit from a decrease in your monthly mortgage payment with effect from next month.
 This is because we re-calculate your mortgage interest immediately. As a result of your overpayment, your monthly mortgage payment will be reduced as follows; 中略
 This immediate re-calculation of interest is just another example of the benefits of a Nationwide mortgage. As a Building Society with no shareholders to pay, we make sure you come first.

 しかもそれが翌月から直ちに実施されるのは当社のローンの特典の一例です、とのこと。どこがグッドニュースやねん、なにが特典やねんと思いつつ、またまた訂正依頼の手紙を書きました。



 そしてその数日後、ようやく契約は正しく訂正されましたというお知らせの手紙が届きました。しかし、これまでのいきさつを思えば、ちゃんと訂正されたかどうか、この時点でもまだ半信半疑でした。それが確認できたのは、銀行預金の取り引き明細で、ローン会社の引き落とし額を確かめた時でした。



 一事が万事ということもいいますが、この国で暮らしていると、一度に二つ以上のことをお願いしても(この場合ローンの繰り上げ返済と返済期間の短縮)なかなか同時にやってもらえないことが多いです。 






2006年4月20日