ハプニング、その3
引っ越しにまつわるハプニング、その1とその2だけで終わるだろうと思っていたんですが、甘かったようです。しっかりその後にもハプニングは起こりました。それは、トラブル話が絶えないボイラー/セントラルヒーティングのアップグレード工事の時にやってきました。
以前にも書きましたが、スコティッシュガスによる有料セントラルヒーティングケアサービスの時に、暖房用ラジエーターの中の一台に水素ガスが溜まること、屋根裏にあるお湯をためるタンクに穴があいていて、お湯が少しずつ漏れていること等が判明しました。その他にも居間のラジエーターが働かないなどの問題点がありましたので、この際最新式のシステムと交換することにしました。
まず、複数の会社に見積もりを作ってもらい、システムの構成や値段、アフタケアの善し悪しなどを比較検討して、そのうちの1社にお願いすることにしました。この会社のシステムをうちの家に導入する場合、配管などの関係上、ボイラーを屋根裏に設置する必要がありました。で、見積もりを作ってくれたおじさん曰く、工事のために屋根裏にアクセスできるよう屋根裏用のはしごを DIY のお店で買ってきて、工事が始まる前に取り付けておいてください、とのこと。まあ、それくらいはやってもいいか、はしごがあると自分たちも屋根裏に入るのが便利になるし、というわけで OK しました。(この国では、屋根裏を物置代わりに使うことが一般的なので、荷物の出し入れをする際に、はしごがあるととても助かるんです。)
というわけで、グラスゴー郊外の DIY のお店で屋根裏用はしごを買って、いざ取り付け開始。・・・ところが、ねじが足りません。ねじの相棒のナットも足りません。ダンパーに使うバネも入っていません。さあ、どうしようかと説明書を読み返すと、ちゃんと、「部品が足りない時はこちらにお電話してください」と書いてあります。部品が入っていたビニール袋にも同じ注意書きと電話番号が書かれています。どうやら部品が足りないのはよくあることなんだなと思って、その電話番号に電話をしてみました。ところが、何回かけても話し中で一向に繋がりません。屋根裏専用はしごなんて一日に何本くらい売れるのか分かりませんが、本当に高頻度で部品不足が発生している模様です。で、次にこの会社のホームページをYahooで見つけて、クレームのメールを送ったところ、セントラルヒーティングの工事が終わった翌日に不足部品は無事郵便で送られてきました。まぁ、今回の場合足り無かった部品は、使用前にはしごを屋根裏から引き出す時と、使用後にはしごを屋根裏に収納する時に必要な部品であって、はしごを出しっぱなしにしておけば、使用上特に問題は無かったのが不幸中の幸いで、無事セントラルヒーティングの工事は行うことができました。
というわけで、本格的な冬の訪れを前にして、セントラルヒーティングのアップグレード工事が始まりました。今回の工事は、既存のラジエーターと配管の一部を残して、ボイラーなどメインの部分を総取り替えするというものです。工事にやってきたお兄さんたちは働き者で、一生懸命壁に穴を開けたり、配管を溶接したり、1日半で工事はほぼ終了しました。そして、試運転。ボイラーは順調に働き、各部屋のラジエーターも温かくなってきました。ただし、居間のラジエーターを除いては・・・・。で、お兄さんたち、いろいろと原因を調べてくれて、問題はラジエーターにあるのではなくて、そこにお湯を供給している床下のパイプが詰まっているということが分かりました。といっても、パイプのどの部分が詰まっているのかは分かりませんので、パイプが通っていると思われる部分の床板をはずして、配管を調べて、やっと原因の箇所を見つけてくれました。そして、その部分のパイプをはずし、詰まりものを棒でほじくりだして、再設置。ようやく、居間のラジエーターも働きだしてくれました。
やれやれ〜、というわけで、お兄さんたちは無事帰って行かれました。けれども、本当のハプニングが起こったのは、その後のことでした。その日の夜、うちのかみさんがトイレで用をたして、水を流したところ、排水管の継ぎ目から水が吹き出して、周りの床や壁に汚水が飛び散ってしまいました。(びろうな話で申し訳ありません。今回のハプニングは、少しそちら系ですので、そういう話はちょっと、という方はここから先はどうぞご遠慮くださいませ。)
どうやら、業者さんがトイレのラジエーターの内部を掃除したり、配管工事をしたりした時に、誤って便器の排水管の継ぎ目を傷つけてしまったようです。もう夜ですし、しかも明日からは3連休ということもあって、自分たちで修理することに決め、近所の夜遅くまでやっているお店で穴をふさぐシール材を買って、無事修理する事ができました。
この時は、吹き出す汚水に気を取られてあまり気にしていなかったのですが、実はトイレの排水の流れが悪くなっていました。今回の工事では、「Power Flush」といってラジエーターや配管内に溜まったゴミを高圧で押し出してトイレに流して捨てる、という作業工程が入っていました。また、それ以外に出たゴミの一部もトイレに流していたようです。工事終了時には、まだ完全には詰まってなかったんですが、その後トイレの使用を重ねるうちに、徐々にトイレットペーパーなどがゴミにひっかかって、とうとうほぼ完全に詰まってしまいました。自分たちで何とかならないかあれこれやってみたんですが、なんともならずこれは大変、ということで、緊急の場合はこちらという連絡先に電話してみました。そうしたら、明日担当者が見に行きます、という返事が返ってきました。そして翌日、日曜日であるにもかかわらず、昼前に担当の方がやってこられました。やれやれ、これでトイレが使えるようになる〜、と安心したのもつかの間、「うちは、ラジエーターとかボイラーのトラブルは扱ってますが、トイレは業務の範囲外です」「あ、でも、トイレが詰まったのは、そちらの会社のセントラルヒーティングの工事の人がいろんなものを流したからなんですけど・・・」「え、そうだったんですか。ではこちらから、トイレ修理の業者を依頼します。」うーん、どうもこちらの事情がうまく伝わっていなかった様です。私の電話での話し方が悪かったのか、担当の部署に話が届くまでの間に大事なところが抜け落ちてしまったのか・・・。何はともあれ、別の業者さんが来るまで、またしばらくトイレの使えない状態が続きました。しかし、次に来てくれた人は、トイレ詰まり解消のプロ。特殊な棒を巧みに使いこなして、見事に詰まりを取り除いてもらえました。
こうして少しずつですが、「人間のすみか」らしくなってきています。
と、ここまで書いたその翌日、再びトラブル発生。 一旦直ったはずのトイレ、何度か使っているうちにまた詰まってしまいました。おそらく、最初に詰まったゴミが完全には取れていなかったようで、そこにまたいろんなものがひっかかって、再び詰まってしまったのでしょう。さらに悪いことに、シール材で修理して漏れなくなったはずの排水管、再び排水が漏れはじめました。これは前回、詰まったものを取り除く時に棒でかなり激しくつついたため、せっかく閉じたところがまた開いてしまったためなのかもしれません。
なにはともあれ、このままではトイレが使えませんので、再度電話して修理に来てもらうことにしました。ただ、この日はすでに予約で一杯だったので、修理は翌日となりました。今度は、抜本的な修理となり、トイレに直結している排水管のU字型の部分を新しいものと取り替えてもらえました。その結果、トイレの詰まりも、排水管の水漏れ問題も、一挙に無事解決となりました。それにしましても、汚水にまみれながら一生懸命修理してくれる業者の方には、本当に頭が下がる思いです。
2004年10月1日