スコットランドの風力発電


 スコットランドの田舎を旅していると、風力発電用の風車が回っているのをよく見かけます。そこで、スコットランドの風力発電の現状について少し調べてみたところ、スコットランドの風力発電は世界でもトップクラスといえることが分かりました。




エディンバラの南方、
Dun Law 風力発電所の風車群
 2008年現在、スコットランドには55カ所の風力発電所があり、合計すると約1200メガワットの発電が行われているとのことです。英国全体での風力発電による総発電量は約2400メガワットですから、そのほぼ半分がスコットランド内で発電されていることになります。
 スコットランドには大規模な発電所も多く、例えばインヴァネスの東方海上にあるBeatrice発電所には、世界最大の5メガワットの洋上風車があります。
 また、サウス エアシャーにあるHadyard Hill発電所は、英国内で最初の100メガワットを超える発電所で、ここだけで約8万戸の電力をまかなうことが可能だそうです。
 
 さらに、ラナークシャーにあるBlack Law発電所には42基の風車があり、97メガワットの発電量を誇っています。この発電所は、荒れて放置されていた露天掘りの炭坑跡を整備して建設されたもので、周囲の自然環境に対してもプラスの効果をもたらしているということで、王立鳥類保護協会(RSPB)からも高く評価されています。
 グラスゴーの南方には、さらに大規模な風力発電所が建設中です。この発電所には、140基の風車が建設され、計322メガワットを発電する予定です。

 このようにスコットランドで風力発電が積極的に推し進められているのは、年間を通して発電に十分な風が吹いているから。EU内の風力発電所がフルパワーで発電ができる時間は、一年を平均するとたった25%くらいなのですが、スコットランドではこれが40%以上になります。特にシェトランド地方の発電所では、世界記録である58%という値を記録しています。
 

2008年5月4日