ゲール語の標識


 ゲール語は、英語系の言葉が入ってくる前に、スコットランドで広く話されていたケルト系の言葉です。現在では、ゲール語を母語とする人の数は非常に少なくなっていますが、学校でゲール語の授業を行ったり、ゲール語のラジオやテレビ番組を放送するなど、その保存に努力が注がれています。ハイランド地方などに行くと、道路標識にゲール語が併記されているのをよく見かけます。



 身近なところでは、グラスゴーの鉄道の玄関口、Queen Street 駅の駅名標にも、ゲール語で駅名が書かれています。「Sraid」が「Street」で、「Banrighinn」が「Queen」を意味しています。語順が逆転していることからも、ゲール語が英語とは別系統の言語であることが分かります。Queen Street 駅からは、北の方に向かう長距離列車が数多く発着しています。
 一緒に仕事をしている人の中に、お祖母さんがゲール語の native speaker で、ご自身もゲール語を話せる人がいるので、これは何と読むのか尋ねてみたところ、「ストレーチ ナ バイオリン」とのことでした。(少なくとも私にはそう聞こえました。)スペルからはとても想像できない発音ですね。


 Airdrie でも数は少ないものの、ゲール語で書かれた通り名の標識が設置されています。こちらの発音も尋ねてみましたが、カタカナでは表記できないような複雑な発音でした。
 ちなみにゲール語のことを、スコットランドでは「ガーリック(Gaelic)」と言います。決してニンニクのことではありませんので、お間違えのないように。




2003年3月29日