ケィリーというダンス


 同じ実験室で仕事をしているオランダ人が、「この間、ケィリーというダンスに初めて行って、とても楽しかったから、また行こうと思うんだけど、誰か一緒に行かない? オランダに帰る前の思い出にもしたいし。」と、言ってきました。この時まで知らなかったのですが、ケィリー (Ceilidh) というのは、スコットランドの伝統的なダンスです。伝統的とは言っても、とにかくみんなで楽しく踊るのが目的なので、とてもお気軽なダンスだそうです。

 場所は、グラスゴーの River Side Club という、ケィリーでは有名な所でした。私たちが行った時には、すでに先客がかなりいて、アコーディオンを中心にしたバンドの生演奏に合わせて踊っていました。お客さんは実に多様で、若い人たちから、おじいさんおばあさんまでいらっしゃいましたし、いろんな国出身と見受けられる方々が、ダンスを楽しんでいました。

 初めて見たケィリーの印象を一言で言うと、日本の運動会などでよく見られるフォークダンスを、2倍くらいにスピードアップして踊っているという感じでした。曲によって、二人ずつのペアで踊るものや、6〜8人くらいのグループで踊るものなどがあります。実際、踊ってみると、かなりハードで、翌日は筋肉痛になってしまいました。それでも、私のような初心者には、経験のある人が親切に教えてくれたので、とても楽しい時を過ごすことができました。

 さすが、スコットランドのダンスと言うだけあって、お客さんの中には、タータンチェックのキルトスカートをはいた男性も、何人かいらっしゃいました。そういう方が、テンポの速いダンスを踊るわけですから、くるくると回転するたびに、スカートの裾がひるがえって、もう少しで中身が見えるんじゃないかなと、思えるほどでした。ちなみに、正統なキルトのはき方は、下にパンツなど下着類を着けないという事になっているそうです。

 なお、"ケィリー"というのは、古くからスコットランドに住んでいるケルト系民族が使っているゲール語の単語で、もともとの意味は「訪問する」ということらしいです。それが今では、訪問した後に踊るダンスのことになったようです。



2002年8月10日