2007年3月、英国の中央銀行であるイングランド銀行(Bank of England)が、新しいデザインの20ポンド紙幣の発行を開始しました。この20ポンド札、表のエリザベス女王の肖像とは別に、裏面にはスコットランド人の経済学者アダム・スミスの肖像が描かれています(右の写真)。「国富論」を著したアダム・スミスは、英国を代表する人物の一人であるものの、イングランド銀行がスコットランド人の肖像を用いるというのは前代未聞のことであり、当時は何かと話題になったものでした。 | ![]()
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ところが最近、イングランド銀行はまたもや驚くべき発表を行いました。なんと、イングランド銀行が発行する最高額面紙幣である50ポンド札に、ジェームズ・ワットの肖像の採用を決めたとのこと。蒸気機関の改良で有名なワットもまたスコットランド人。実際の発行は2010年末以降の予定だそうですが、これでスコットランド人二人がイングランド銀行の紙幣の顔というわけです。 ちなみにこの二人、少なからぬ縁があったようで、若き頃のワットがグラスゴー大学構内に、実験器具の製作や修理をする店を出した時、同大学の教授だったアダム・スミスが資金援助をしたという逸話も残っています。 2009年6月7日
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